音楽のロイヤリティ(著作権)ってなに?? 1から解説!!

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はじめに

音楽を作った場合、基本的にはその曲の作曲者、歌い手、作詞家などは著作権を持つことになります。

しかし、音楽をストリーミングされ、それらが店などの商業施設で流される場合や、誰かがその曲を演奏した場合、著作権料が支払われなければなりません。私は法律の専門家ではないので、その線引きなどに関しては詳しくはないのですが、今回はそれらのロイヤリティの種類と、それらをどこが管理しているのかを紹介します。

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楽曲の著作権のざっくりした分け方

まず、音楽というのは、2種類の媒体として存在します。一つは、音としての録音物です。さらに、歌詞や楽譜としての読み物でもあります。元々は、レコード会社が録音物を、出版者が読み物を所有していました。

さらに、音楽は2種類の使用方法があります。公共の場で演奏される場合と、個人利用目的で複製される場合です。

2種類の媒体に、2種類の使用方法。合計4種類の著作権が発生する、ということです。

さらに、特殊な著作権もあります。そららに関しても、少し紹介します。

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著作権管理団体って?

まず、レコード会社を通して曲を出す場合、著作権の手続きはレコード会社が基本的に行います。日本では、JASRAC という団体が一番大きい音楽著作権管理団体となっています。日本中をくまなく調べあげ、吸い取れる著作権料を探します。レコード会社も、基本的にJASRACに著作権の管理をまかせます。

なぜか?それは、レコード会社、ましてや個人が日本、世界のどこでいつ自分の音楽が流されているか、なんて把握をできないからです。そこで、著作権管理に特化した会社・団体が生まれるわけですね。

JASRAC は度々問題になったりしますね。一つとしては、かなり厳しくチェックされていることです。音楽教室でさえも支払いを要求していますね。正直、アーティスト側としては、しっかり仕事をしてくれているので、そこまで大きな問題でもないと思いますが。

さらに、アーティストはメンバー(信託者)になる必要があります。その金額が27500円。これ以上の回収が見込めるのかどうかが大きいポイントですね。さらに、「継続して楽曲が使用されれば」更新料などは無い、と言っています。曖昧です。登録してお金を払っても、自分の楽曲が流されなければ、契約はどうなってしまうのでしょうか。

また、当たり前ですが手数料はとります。6~25% の手数料をとっているみたいです。結構な額だと思いませんか??しかし、どの管理会社も手数料はとります。ビジネスとして成り立たなくなりますからね。仕方ないことです。

演奏権(Performance Royalties)

まずは、演奏権。テレビやラジオ、飲食店内でのBGM、カラオケ、ライブなど、公共の場で音楽が流された場合に発生する権利です。

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出版物に関する演奏権は、出版者と著作者に50/50 で分配されます。なので、自分で曲を配信している場合、出版者も作曲者の分も両方とも受け取るように設定することに注意してください。

日本国内では、JASRAC が対応しています。近年注目されてきているNexTone は現在対応していません。

米国では、SESAC、BMI、ASCAP 、英国ではPPLが取り扱っています。BMI は特に、個人著作者による信託依頼にお金がかからないため、気軽に申請ができます。

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各国の演奏権管理会社はお互いの国内で委託をしあっています。BMIで申請した曲も、日本国内ではJASRAC が著作権料を回収してくれる、ということです。海外の演奏権管理会社に委託することの唯一の難点としては、海外からの送金やトラブルなどによる面倒くささ、また、その「委託」がどれだけきちんと行われているか、ということですね。あくまでも口約束程度のものなのであれば、見込みがいまいち無いですよね。

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また、録音物に関する演奏権は、著作隣接権(Neighboring Rights)とも呼ばれます。録音物の所有者や、フィーチャーされたアーティストが持つ権利です。日本国内の団体では、JASRAC のみが対応しています。

海外において著作隣接権は、録音物の所有者が50%、フィーチャーアーティストが45%、フィーチャーされなかったアーティストが5%という取り分を持つと言われています。

海外では、米国のSoundExchange、英国のPPL などが管理をしています。どちらも無料で契約ができます。

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ここまで説明してきましたが、一つ気をつけて欲しいことが。

これらの著作権の管理契約を行う場合、ダブってはいけません。例えば、JASRACとBMI 両方に所属、なんてことはNG。管理会社によって、どの範囲までをカバーしているか異なります。しっかりと確認をしてから登録をしてください。

SoundExchangeなどの著作隣接権の管理団体と、先ほど紹介したBMI、ASCAPなどの演奏権管理会社が担当している権利は異なっています。SoundExchangeとBMI両方に登録する、ということは問題ありません。

録音権(Mechanical Royalties)

次に、録音権。これらは、CD、カセット、デジタルダウンロード(iTunesなど)、ストリーミング (Spotifyなど)で配信されるときに生じる権利です。この録音権は、録音物と出版物、共に存在しています。

録音権は、出版者、作曲者、録音者に分配されます。

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録音物に対する録音権。なんか日本語だと当たり前感が出るな。もちろんJASRACやNexToneは対応しています。ただし、NexToneは日本国内でのみ著作料を回収するという難点もあります。その分、申し込み料は無いです。

海外では、Songtrustなどの代理出版者、Audiam、Harry Foxなどが挙げられます。Harry Foxは残念ながら、企業などとしか提携をしないので、個人から働きかけることは難しいですね。代理出版者も初期費用がかさみます。一曲についていくらとお金をとったり、サブスク型で月々支払う必要も多くあります。その代わり、音楽の出版に関しては丸投げして良いので、時間の節約にはなります。まあ、それだったらJASRACに全部丸投げすれば、、と思いますが。笑

Audiam は個人アーティスト向けの著作料管理を行なっており、ストリーミングのみ対応です。デジタル配信のみを考えているのでそれで十分、という方も多いのでは??

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次に、出版物に関する録音権です。これらは、音楽の配信を行なっているところから得られます。例えば、世界最大手だとTunecore あたりでしょうか。デジタル配信企業は星の数ほどあるので、またの機会に詳しく書こうかなと思っています。

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さらに、海外ではテレビや映画などの映像と音楽を合わせる際に生じる著作権をSync Royaltiesと呼びます。これらは、CM 契約などで支払われる著作権料であり、企業と個人でやりとりをすることが多いです。

出版権

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楽譜などとして出版される際は、出版権が発生します。出版権は少し特異ですが、楽譜だけでなく、商品にある曲の歌詞の一部を載せる場合なども含まれます。

出版権は、日本国内だとJASRACやNexTone が管理をします。海外には、決まった管理会社は私が知る限り、ありません。割合としては、かなり小さい額になるとは思います。

貸与権

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これも、最近の割合は少ないのでは。TSUTAYA などで音楽を借りた場合に発生する著作権です。JASRAC、NexTone はしっかり徴収してくれます。

まとめ

このように、音楽にかかる著作権料は複雑になっています。概観だけでも、これだけの種類が存在し、それぞれ受け取る対象、管理する団体も異なります。レコード会社を通すのであれば、それらの委託は行ってくれますが、個人の場合は自分で委託をしなければなりません。参考になれば嬉しいです。

参考記事
https://iconcollective.edu/how-music-royalties-work/
https://www.creativeandproductive.com/music-royalties/

サムネ:Steve Buissine from Pixabay

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